電圧降下計算(演出空間)

voltagedrop stage

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演出空間仮設電気設備指針

演出空間仮設電気設備指針4.2.2(5)では、演出空間の電気設備において、内線規程の電圧降下の式の前提が成り立たないとして、以下の式を与えています。

e = (K * L * A) / (1000 * A)
 K:係数
  36.8・・・三相3線式
  42.5・・・単相2/3線式、三相4線式
 e:電圧降下(V)
 L:線路のこう長(m)
 S:使用電線の断面積(mm2)
 I:負荷電流(A)

内線規程との相違点

内線規程と違う点は主に2点

内線規程
IV線
導電率:97.0% 抵抗率:17.80 Ωmm2/km
演出空間仮設電気設備指針
キャブタイヤケーブル
導電率:81.1% 抵抗率:21.25 Ωmm2/km

電圧線の電流の実効値が等しくても、実際の負荷となるSCR調光回路、コンデンサインプット整流回路では、波形が正弦波ではないため、中性線電流が流れます。
そのため、単相3線式、三相4線式の場合も単相2線式と同じ係数を掛けています。

特に2点目は常設設備でも問題になります。
内線規程に従って設置していた場合、想定以下の負荷で電圧降下が規定を超えることとなります。
演出空間仮設電気設備においては、電圧降下が5%を超える場合、補正対策をとる必要がありますが、この補正対策に、電源電圧の昇圧は含まれていません。

電気管理者としては電源電圧の昇圧で対応したい所ですが、いくら昇圧しても変動率は変わらないため、舞台技術者と行き違いが起こることがあります。
この電圧降下の対策としては、以下が挙げられます。

 ・別の系統に繋ぎ変える
・幹線ケーブルを太くする

また、この指針においても、幹線電圧降下は内線規程と同じく3%とされており、照明電源について昇圧で対応する例が挙げられています。
ところが、実際には、すべての負荷は、0~100%まで、変動することが前提であり、電源受け渡し点においては、そこから電源側の電圧降下はすべて電源電圧変動の一部として評価されます。
したがって、幹線電圧降下を3%とした場合、設備の受電点での変動率マイナス側が3%増えるため、大変質の悪い電源として評価されます。

まとめ

舞台演出のプロ、電気のプロ。
お互いに同じ考えを持って素晴らしい演出を提供してください。